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海水魚採集をはじめる前に
自分で採集してきた海水魚を、自宅の水槽で飼育する事を自家採集と言います。
自家採集した生き物には、ショップで買ったものにはない思い入れが生まれるものです。
でも自家採集には、ルールやマナーがあります。
法律で定められたものから、自主的なモラルに基づいたものまで様々です。

法律で定められたものを守るのは社会人とし当たり前の事ですが、一般的に多くの自家採集家が守っているルールも、すべての採集家に守ってもらいたいと思います。

そんなに難しい事ではありません。
「海を大切に、生き物と仲良く」と言う気持ちがあれば、考えなくても出来る事です。
具体的にはこちらに書いてありますので、是非一読してください。

磯採集のルール

守れない人、海を汚す人、生き物をいじめる人には、採集に来てほしくありません。
ルールを守れる人なら、採集家の仲間同士仲良くなれるはずです。

ルールを守って楽しい海水魚採集をしましょう。
 

装備と準備
自家採集にはいろいろなスタイルがあります。
潮溜まりを覗いて歩くタイドプール派。海に直接入る素潜り派。堤防から大きな網を使って採る岸壁派。

ここでは私がいつもしている素潜り採集をご紹介します。

ではまず、装備から。

* 道具名 概  要
* 水着 これがないと恥ずかしい。
* 軍手、手袋 これがないと手が痛い。
* 磯ぐつ
またはビーチシューズ
これがないと足が痛い。
底の固いズックよりも柔らかい物の方が滑りにくい。足で岩を掴む感じ、分かるかな?
* 長袖Tシャツ
またはウェットスーツ
これがないと日焼けで背中が痛い。風呂に入れない、仰向けに寝られななど地獄を見ることになる。
ウェットスーツの方が全身を保護し、長時間海に入っていられる。
* 水中マスク これがないと目が痛い、あるとよく見える。
* シュノーケル これがないと息苦しい。
* フィン(足ひれ) 早く泳げる。
これがないと潮流の加減で泳いでも進まない時がある。
潮溜りなどではない方が動きやすい。
* 素手では採りにくい。
タモ網や巻き網などスタイルやロケーションによって様々。
法令で使用不可な網や刺し網のように魚が可哀想な網は使用しない。
* 携帯用生簀 採集した魚を一時的にストック。いちいちバケツまで戻らなくて良い。
* お持ち帰り用バケツ 水漏れのしないもの。
* 追い出し棒 なくても採れるが、あれば便利な時もある。

これだけ用意しておけば大丈夫でしょう。
タオルや着替え、お弁当などは自分で判断しよう。子供じゃないんだからね(子供も見てるかな?)

装備が整ったからといって、いきなり飛び出さないでちょうだい。
出かける前のチェック事項があります。

まずはなんと言っても磯採集のルールを再読してください。海水魚採集を楽しくする方法です。

次に採集場所のチェックですね。
1ケ所でも知っていれば上出来です。
もし知らなくてもネット上の掲示板やコミュニティーで聞いたりしてはいけません。良識のある採集家なら誰も教えてくれません。返ってあなたの人格を疑われる事になるので止めましょう。
ではどうするか。自分の足で探しましょう。
地図を片手に下見に出かけるところから、採集は始まっています。海へドライブに行くだけでも楽しいじゃないですか。

さて場所が決まれば、出かける日にちです。
それには潮時を知らなくては話になりません。
最適なのはズバリ大潮の干潮時、3時間ほど前から1時間後くらいが勝負時です。でも休日が大潮にならない時もありますよね。
そう言う時はなるべく大潮に近い休日を選んで出かけましょう。
潮時はネットでも調べられますし、釣具屋さんに潮時表が販売されてます(だいたい100円くらい)。
最近はスマートフォンのアプリまであります。

最後に。
子供だけで出かけるのは止めましょう。必ず大人と一緒に出かけてください。
できれば大人も採集経験者と一緒に出かける事をお勧めします。

マメチョウ、ゲットだぜ!
「巨人の星」では「花形」と言えば「満」ですが、海水魚採集で「花形」と言えばチョウチョウウオの幼魚(以下マメチョウ)です。
綺麗で可愛くて種類も豊富。集めだしたらキリがありません。
そこで理想の水槽をイメージして、何をどれだけ入れるか考えて採集していきましょう。
むやみやたらに採っていると、いざ本命と言う時に水槽に入りません。

さて海に到着して準備ができたらゆっくりと海に入ってみましょう。
すぐにお目当ての魚が見つかる事もあれば、なかなか見つからない事もあります。そこは運しだい。

探していたマメチョウが見つかっても、急に襲いかかってはいけません。海水魚にも女の子にもやさしくしないとね。
マメチョウは素知らぬ顔で岩肌を突いていても、ちゃんとこちらを見ています。
そしてちゃんと逃げ込めるベースも確保しています。

そこでまずはマメチョウとベースをを確認。
ベースはたいてい小さかったり奥深かったり別に抜け道があったりと、採集するには不向きです。そこへ逃げ込めばマメチョウの勝ち。

こちらが勝利するには採集しやすい浅い凹みにマメチョウを追い込む事です。
周りを見渡して、ここならと思う凹みが見つかったら、その凹みとマメチョウを結ぶ延長線上に陣を張ります。
後はじっくりチャンスを待ちましょう。
こちらがジッとしていれば、相手は油断して自分のベースから少しずつ離れて行きます。
ベースに逃げ戻れない所までマメチョウが離れたら、ゆっくりと目的の凹みまで追い込みます。
この時もあわてて襲いかからない事。脅かすと相手はパニックを起こし、凹みを通り越して一目散に逃げてしまいます。
ゆっくりゆっくり、じっくりじっくり。
マメチョウが目的の凹みに身を寄せたら、もう捕まえたも同然です。
タモ網で退路を断ち、そっと手で追ってやれば、そのタモ網に自然に入ってくれます。

サザナミヤッコの幼魚もほぼ同じ要領で採集できます。

もし失敗してもマメチョウは行動範囲が狭いので、しばらくすればまた同じ所で岩肌を突いています。
また魚が居ないと思って通り過ぎて場所でも、もう1度行ってみましょう。
最初は隠れていて見つけられなかっただけかもしれません。

採集は出会いと粘り。お目当ての魚目指して頑張ってください。