このページでは採集した魚の餌付けをご紹介します。 スズメダイ、ベラ、ニザダイの仲間は、改めて餌付ける必要はまったくありません。
落ち着きさえすれば、すぐに人工飼料をパクついてくれます。
しかし採集の花形であるチョウチョウウオはちょっと厄介です。
チョウチョウウオの食性は主に3つに分類する事ができます。
雑食性、ポリプ食性、プランクトン食性です。
プランクトン食性のチョウチョウウオは本州沿岸では採集できないと言ってもいいので、この際割愛します。
一般に雑食性のチョウチョウウオは餌付けやすく、ポリプ食性は餌付けにくいと言われています。
しかし根気があれば、それほど難しい事ではありません。
アサリの練り餌 |
冷凍アサリを解凍し、紐を取り除きす
り鉢で磨り潰す。 |
磨り潰したアサリに人工飼料を加え、
練り餌を作ります。人工飼料は磨り潰
さず、粒を残したまま混ぜ込みます |
アサリの殻に練り餌を塗り付け、再び
凍らせます。 |
■アサリでの餌付け
1.スーパーで買ってきたアサリを一旦冷凍庫で凍らせます。
貝についた雑菌を殺すのが目的ですが、アサリ自体も凍死するので、
後の処理がしやすくなります。
2.凍ったアサリを解凍し、貝を開いてそのまま与えます。
まずは魚の体力が落ちないようにする事が肝心です。
そのままのアサリには大抵の魚が、簡単に餌付いてくれるはずです。
3.アサリに餌付いたら、練り餌に切り替えます。
アサリの期間が長いと、人工飼料への切り替えが難しくなります。
4.右の方法で練り餌を作り、段階的に人工飼料の比率を増やしていきます。
最終的には人工飼料だけの練り餌を作り与えます。
人工飼料だけの練り餌に餌付いたら、容器からの飼料を直接与えても食べるようになります。
アサリの練り餌の長所は確実性が高い事です。
大抵のチョウチョウウオは練り餌に餌付いてくれます。
根気強く粘れば、ミスジチョウチョウウオのような頑固者でも餌付いてくれます。
また栄養価の面でも優れています。
短所は何と言っても練り餌を作るのが面倒な事です。
段階的に比率の違う練り餌をいくつか用意しなければなりません。
後は、臭い事かな。
■タラコでの餌付け
餌付け用タラコ |
無着色のタラコを一昼夜水に浸して
塩出しをします。
途中で1度、水を仕替えましょう。 |
塩出ししたタラコの水をきり、
皮を裂いて卵を取り出します。 |
小分けをして凍らせます。白色トレー
などに小別けして盛り付けます。 |
解凍してから与えると、雪を降らせた
ようにタラコが水槽の中を散ります。
大抵の魚は、争って食べてくれます。 |
1.餌付け用タラコを作ります。
2.魚が餌付け用のタラコに充分慣れたら、1日餌を与えず、空腹の状態を作ります。
3.翌日、粒状の餌(なるべくタラコ大のもの)を与えると、違和感なく食べてくれます。
タラコでの餌付けはアサリに比べ、作るのが簡単、臭くない、貝殻の回収をしな
くてすむ、アサリほど水を汚さない、などメリットが多いのでお勧めです。
まずタラコで餌付けてみて、どうしても餌付けない頑固な魚にはアサリを使うの
が良いと思います。
餌付けの最大のコツは、無理しない事です。
餌付きの悪い魚は、途中まで上手く行っていても、最後の段階になって足踏み状態になります。
そんな時は1度前のステップまで戻って、やり直しましょう。
魚に無理をさせると、体力が落ちて結局死なせてしまう事になります。
特にアサリの練り餌の場合はちゃんと食べているかどうかを確認しましょう。
突いているようでもアサリだけ上手に穿り出して食べている場合があります。
こう言う魚は人工飼料は吐き出しているので、アサリの割合が低くなると痩せてしまう事があります。
魚種によって、餌付きの良いタイプと悪いタイプがあります。
先に書いたように雑食性のチョウチョウウオは餌付きやすく、ポリプ食性のチョウチョウウオは餌付きにくい傾向にあります。
しかしこれも個体差があって、一概に言い切ることは出来ません。
根気よく餌付ける事が大切です。
また魚を落ち着かせるのも、大切なコツの一つです。
先住者の魚がいると、落ち着き、餌付きも早いですが、広い水槽に1匹だけでしかも始終覗かれていると、魚も落ち着きません。
そんな時、水槽に新聞紙を巻くなりして目隠しをすると、簡単に餌付く事があります。
ツノダシのように、大した偏食家でもないのに餌付きが悪いのは、単に臆病から来るもので、目隠し作戦は有効な手段です。
また水質が悪化していると餌付きにくい事があります。
ことにpHが下がっている場合に餌付かない事が良く見られるようです。
詳しいpH値が分からなくても、餌付きが悪いと感じた時は、水替えをしてみましょう。
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